朝日新聞-天声人語 2012年2月3日(金)一部抜粋▼雪を「天からの手紙」と言ったのは雪氷学の先達、中谷宇吉郎だった。思えば雪は不思議な代物で、きびしい霜や冷たい霙(みぞれ)と違って、むしろあたたかく平和な感じすら与える。しかし純白にひそむ「魔」は、ときに人の命も奪い去る。雪に二つの顔がある▼きょうは魔を追い払う節分、そして明日は立春がめぐる。春は名のみの寒の底だが、地中に森に、幾万幾億の芽が時を待つ。〈冬 キビシ/春ヲ含ミテ〉柳宗悦。